10/1(日)福岡県みやま市高田体育館にて第20回福岡県硬式空手道選手権大会が開催されました。試合は形と組手で行われ、正流塾からは形で3名、組手で11名がエントリーしました。いよいよ硬式空手への挑戦がスタートしました。普段の技あり2本で1本勝ちとなるルールとは違い、硬式空手は5ポイント差がついて勝敗を決する為、相手とのポイント差が5ポイントつくまで戦いは続きます。上段への蹴りが2ポイント、上段への突き、中段への攻撃は全て1ポイントで加算され、掴み、蹴った後の転倒、場外、故意でない反則技の使用等は1度目は注意、2度目で相手へ1ポイントが加算されます。硬式空手を主戦場としている選手の大半はガードを固めて相手の攻撃をブロックや受け払いをしながらガンガン前へ突きや蹴りで出てきます。対する私達のスタイルは間合いを取り、基本的には体を捌いて相手の攻撃をかわし、一撃を叩き込むスタイルです。しかしこの相手の攻撃を体にあてさせず自分の攻撃のみをあてるにはかなりの技術が必要になることは言うまでもありません。前回の熊本での大会で硬式の子供達の組手を拝見すると少年部でも上位に入る選手はかなりレベルが高く、正流塾の少年部が上位に食い込める様になるにはまだまだかなりの時間と修練が必要な事は肌で感じておりました。私の目的は今までのスタイルを変える事なく自分達の空手で優勝する事なのです。どんなルールでもあてさせず、自分の攻撃をあてる事ができれば必ず勝てます。もともと正流塾は自己防衛、護身術としての武道を目指しております。相手が武器を所持している場合、当てられればやられてしまいます。打たせずして打つ!これが正流塾のスタイルです。常日頃門下生にはこの事を言い含めてきました。そしていよいよ決戦の時を迎えました。
今大会での目標は少年部で数名の入賞者を輩出し、高校2年生の部、一般シニアの部、一般有段者の部の3階級優勝というものでした。先ず形の試合が先に行われ3名エントリーしていたのですが1名が欠場、2名での参加となりました。二人とも善戦するも残念ながら1回戦敗退となってしまいました。自由形で行われる形式なのでいつもと勝手が違いますが次回への課題も見つかり、良い経験となりました。その後少年部の組手試合が始まり、残念ながら大半が1~2回戦で敗退しました。その中で豊築支部の川野聖海君が小学6年生男子組手の部で見事3位入賞致しました。ちょうど私はその試合を観戦することができたのですが、お家芸の待ち足刀蹴りを見事相手の顎へ決めた技は素晴らしいの一言でした。優勝した選手にはまだまだ及びませんでしたが果敢に向かっていった姿が印象的でした。よく頑張りました。おめでとう。
続いて登場したのは今回優勝間違いなしと思っていた高校生のエース、原田俊介君!初戦から気合十分で一気にポイントを重ね対戦相手を圧倒し先ずは1勝。続く2戦目、あっさり中段の蹴りで1ポイントを取るものの、いつもの癖でバックブローが出てしまい注意を受けてしまいます。硬式ではバックハンドでの攻撃は禁止されているのですが正流塾の選手は体に染みついている為、どうしても瞬間的に出てしまうのです。そこで焦ったのか?さらに猛攻撃をしかけるも今度はクリンチの様になってしまい、またしても掴みで注意を受けます。その後またまたバックブローが出そうになるのを踏みとどまった所へ相手の蹴りを入れられてしまい、さらに掴みで再度注意を受け相手に1ポイント加算。結局負けてしまいました。改めて勝負の厳しさとルールの難しさを痛感させられましたが、どんなルールでも臨機応変に戦い勝ち上がらなければなりません。何しろ彼の目指しているのは立ち技最強を決める格闘技、K-1のチャンピオンなのだから! 12月に九州大会がありますので是非ともそこで雪辱を晴らして欲しいもです。
次に登場したのがシニアの部エース、猪俣さん。防具付の全国大会では昨年3位、今年2位で来年こそは全国制覇を目標に掲げる48歳。40歳で空手を始め練習も休む事無く黙々と努力し続ける猪俣さんが初めて臨む硬式ルール。正直ドキドキしながら見守りました。相手は猪俣さんに負けず劣らずの体格で重量級同士の初戦となりました。序盤に中段の廻し蹴りを2本入れられ2ポイント差のまま残り30秒を示す「あとしばらく」の声が・・・ゲッ、いきなり初戦敗退か?と思っていたら、意を決したようにいつも練習している右から左のワンツーを放ち、見事相手の顔面をとらえ1ポイントを返し、その後も直ぐに同じパターンでさらに1ポイント加算し、何とかポイントを並べて制限時間が終了。延長戦に突入しまたまた同じパターンで顔面に突きを決めて勝利を収めました。そのまま一気に波に乗り、決勝戦でも突きが冴えわたり見事、初出場初優勝を飾りました。本当におめでとうございます。
最後に登場するのがメインの一般組手試合のメンバー!先ずは小出石家、3男マサトが第一試合で出陣。勿論初めての硬式ルールだが、そもそも試合をするのが8月の全国大会以来、3年振り、2度目。その体形からもあまり練習ができていないのは一目瞭然(T_T) あとは感を頼りに戦ってもらうしかない!開始早々半飛び足刀蹴りや後ろ廻し蹴り等、硬式の試合ではほぼ見かける事のないお家芸の技を繰り出すも、往年のキレは全くなく、あっさり交わされる。しかしプレッシャーをかけながら前に出てくる相手に伝家の宝刀迎え突きを決め1ポイント!そのままそれでポイントを重ねるかと思ったが相手のプレッシャーにドタバタしており、いや~な雰囲気!そこで繰り出したこれまたお家芸のラセン手刀打ち(バックブロー)が見事相手の顔面をとらえ、1ポイントといきたい所だが「注意イチ(怒)」を宣告され、さらに窮地に(>_<) スタミナも切れ始め顔面に次々と突きを決められ敢無く敗退!まっしょうがないですね。マサトの復活は始まったばかり、来年に期待しましょう(^^)
そんなわけでマサトは負けたものの正流塾には期待の19歳、エース、マサヤがいます。初戦いきなり中段から上段に変化させる顔面への廻し蹴りで先ず2ポイント!その後も中段への廻し蹴り等でポイントを重ね初戦突破。次に対戦した相手は間合いの取り方が上手く、なかなか序盤ポイントを奪えなかったが中盤にお家芸、半飛び足刀蹴りを相手の喉元へ炸裂させ、対戦相手が転倒する程に決まったが、押しただけの蹴りと判断されノーポイント! いや~な空気が漂ったが自分から果敢に攻め込み突きで2ポイントを奪い勝利しました。決勝戦はマサトを破った重量級の選手との対戦となりました。体格差があり、相手のプレッシャーも強く、やりにくい相手でしたが、重い攻撃を体捌きで交わしながら中段の蹴り等で2ポイントを取り、見事優勝を果たしました。終わってみれば1回戦から決勝まで対戦相手に1ポイントも与える事なく完全勝利を飾ってくれました(^^)
正流塾のスタイルそのままで優勝できた事は本当に良かったと思いますし、少年部の門下生への良いお手本になったと思います。しかしここからが本当のスタート!私達の当面の目標は防具付空手道連盟の全国制覇と硬式空手道連盟の全国制覇です。目標が高いからこそ頑張る価値があると思いますし、難しいからこそ達成した時の感動は何事にも代え難いものがあると思います。マサヤ君にはこれで満足する事無く、さらなる精進をし、レベルアップしてもらいたいと思います。
優勝おめでとう!
「チーム大分」と言う事で正友会の竹下先生、門下生(右側)と共に!
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